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そんな毎日が、どれだけ続いただろう。



その時のレイは前の恋人と別れてだいぶ経っていた。
そろそろ新しい恋をしたいと何度も周囲に泣きついてはいたが、レイの中で彼がその候補に挙がることはなかった。
また、周囲から彼の名が上がるたびに笑って否定していた。

確かに彼は、誰よりも一緒にいて、誰よりも笑いあえる相手だった。
だがそれは恋愛感情とは別だと考えていたのだ。
なぜなら、レイには決して彼の恋愛対象にはならないという自覚があったから。

これはどちらが悪いわけでもなかった。
どちらの責任でもなかった。
ただ、そうなってしまったのだ。

変えようのない過去のため。
二人に深くかかわっていた、ただ一人の存在のため。
その人は、いつ目覚めるかもわからない長い眠りについてしまっていたけれど。
彼にとっては思い出したくないだろう存在。
だがレイにとっては大切な身内。
同じ人を違う立場で見る二人だから、同じ位置に立つ日が来るとは思えない。

たとえばいつか未来で、レイも彼もそれぞれに恋人ができるだろう。
それでも二人が友達でいることだけは疑わない。だからそれでいい。
それだけで充分だ。

レイが。
あるいは彼が。
別の過去を歩いていたなら、と思わなかったわけじゃない。
もしどちらかが別の選択をしていれば、もしかしたら一緒になれたのかな、なんて……全く考えなかったわけじゃない。

だけど、過去は変えようがないのだ。
それを少しだけ残念に思いはしたけど、辛いという感情はなかった。
現実は現実としてそれを受け止めていた。

私たちは友達。
これからも、ずっと。

そんな思い込みが壊れたのは、だいぶ寒さが増した秋の夜。



「独り身の若い男性というなら、彼がいるじゃないか」

彼氏欲しいなぁと呟く私に、別の友人がそう言った。
私はそれを笑い飛ばした。

「ああ、それは無理でしょう」

そういう私に彼も同意した。

「私が相手ではレイさんが可哀そうだ」
「いやいやそれはこっちのセリフですから」

ふざけ合い、お互いに笑顔で否定する。
みんなある程度の事情は知っていたから、それ以上は深く言ってこなかった。
もう何度かあったやり取りだったから気にしてなかった。
いつものこと。笑い飛ばして終わり。

けれどその日は違っていた。
『違う』ことのきっかけをくれたのは、彼だった。
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プロフィール
名前:レイ
誕生日:08/12/01
HP:水夢 -水の見る夢-
HP:しろうさぎの日常
伴侶:嘉兵衛
子供:璃磨、小鴉、小鳩、利奈
幻獣:真白、ロスト、リューク
このブログは、英雄クロニクルで遊ぶレイの創作日記です。
キャラとしての言動に理解のある方のみ、ご利用ください。
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